●バイクの穴−岐阜県某所−
バイクでの走行距離も4,000kmを越え路上走行には慣れてきたが、低速でのバイクのコントロールは相変わらず下手。
今のままでは上達は見込めない、練習せねば・・・と、いうことで、まずは場所探し。自宅から15kmほどの山中に広い駐車場を見つけ、勝手に練習場とした。
●練習1回目 99/10/16
さて、練習場は確保したが、いったいどんな練習をすればよいものか。
まず克服しなければならない課題は「小回り」。教習のときから現在に至るまで、これは大の苦手。
有効な練習方法がわからないので、取り敢えず基本の「8の字」をやってみることにする。
目印の空き缶を約5mの間隔に置き、練習開始。しかし、何とか8の字を描こうと努力するも、ガックンガックンするばかりで全くお話にならないありさま。空き缶を目標に置こうなんざ10年早かったようである。敢えなく空き缶は撤去。
そこで、練習場いっぱいを使った8の字から徐々に小さな8の字を描いていき、どの程度の8の字走行ができるのか自分の力量を把握することにした。ギアは比較的アクセルコントロールがしやすいセカンド。
結果、思っていた以上に大きな8の字しか描けない。原因は、ニーグリップができていない、上体に力が入っている、視線が悪い、バイクの傾きが小さい等々、思いつくだけでも5〜6個はある。
これは、もう少し練習メニューを考えないと、ただ8の字をやってるだけでは効果は薄いようである。そこで以下の練習方法を試みてみる。
●円走行 ・・・ 一定方向にグルグル回ってバイクを傾ける練習
●スラローム ・・・ 切り返しの練習
●片手8の字 ・・・ スキーでも片足で練習するし・・・
●8の字 ・・・ 練習効果の確認
まずは円走行。左回りはステップを擦るまで傾けても平気、右回りはちょっと恐怖感を伴うがこれもまぁ大丈夫。
次は・・・回りすぎて気分が悪くなったので、今日の練習はこれで終了。
●練習2回目 99/10/23
今日はスラロームから練習開始。パイロン無しのスラロームは得意。5分ほど練習した後、スラロームの振幅を徐々に大きくしていき、8の字走行に移行。しかし、まだまだ大きな8の字しか描けない。
旋回半径を小さくするにしたがって、8の字がどんどん歪になる。要は、旋回半径に適した速度を維持できないのである。 ハンドルに伝わるちょっとした挙動の変化に対応しきれず、すぐにアクセルを開けてしまう。
練習して慣れる以外に方法はないのだろうなぁとは思いつつ、面白くないので、再びスラロームを5分ほど練習して本日の練習を終える。
●練習3回目 99/10/30
前回の練習で、ハンドルの挙動にびびっているのが判明したため、今回は、旋回中にハンドルをストッパーに当たるまで目一杯左右に切って、無理矢理不安定な状態を作り出し、これに対応する練習をやってみた。
何度も転びそうになったが、15分ほど繰り返していると徐々に慣れてきて、30分後には面白くなり、45分で飽きた。
成果を確かめるため、普通の8の字をやってみたら、嬉しいことに効果覿面。びびってアクセルを開けることはほとんどなくなり、旋回半径が小さくなっても、8の字はあまり歪にならなくなった。
しかし、安定していると言うには程遠く、もうしばらく練習が必要・・・。
●練習4回目 99/11/3
今回は、片手で8の字走行をやってみた。これをやることで具体的に何の練習になるのか、そもそも意味があるのか、全くわからない。片足で滑るというスキーの練習方法があるので、それを真似てみただけである。
最初、普通に大きな8の字を描きながら、タイミングをみて左手を離してみる。これは全く問題なし(ただし、速度の調節をする余裕はないので、アイドリング走行)。そこで、徐々に回転半径を小さくしていく。バイクの傾きが大きくなり、自然とリーンアウトの姿勢になってくるが、その途端に安定性がなくなり左手がハンドルを掴んでしまう。
8の字が小さすぎる訳ではない。両手であれば、楽に8の字が描ける回転半径である。
次に、右手を離して同じように8の字走行をやってみるが、結果は同じ。むしろ、こちらの方が下手。
一時休戦し、缶コーヒーを飲みながら原因を考えるが、よくわからない。強いて言うなら、「ニーグリップが甘い」ことぐらいか、月並みではあるが・・・。
とはいえ、これしか原因が思い浮かばないので、「タンクがへこんでもしらんぞ」というぐらい膝でタンクをガッチリ挟みつけてみる。
練習再開後すぐに、ヘルメットの中で思わず「おぉ〜?!」と声が出てしまう。8の字が、全く問題なく、簡単に描けてしまうのである。右手を離そうが、左手を離そうが関係なし。
今まで以上に上半身が自由に動くし、肩や腕に力を入れる必要をほとんど感じない。バイクを傾けているときの不安感も、かなり薄らぐ。教習所では「ニーグリップが甘い」と散々言われ続けたが、こういうことだったのか。
どうやら、今までやっていたニーグリップは、実は「ニーグリップもどき」だったようである。
これが分かっただけでも、今回の練習は無意味ではなかった。
●練習5回目 99/11/6
ニーグリップが効いていることに満足感を覚えながら、片手8の字を繰り返す。自己満足の典型といったところ・・・。
30分ほど練習した後、本来の目的である右の小回りの練習に移る。方法はオーバルコースを右方向に回るだけ。「直線で40km/h程度まで加速」→「減速/シフトダウン」→「右回りでUターン」の繰り返し。
練習を始める前(10/16以前)に比べると、かなり上手くなっているように思うが・・・何か変。約1/3の割合でUターン中に失速する。原因はおそらく、減速が不十分でUターン中もブレーキに手(and/or 足)がかかっていることと、アクセル操作をほとんどやっていない(アイドリングに近い状態でターンしている)こと。
つまり、ターンするためにバイクを傾けるまではよいが、前述の理由により速度が徐々に遅くなるため、バンク角に見合った遠心力が得られず、途中から重力に負けて急激にバイクが倒れてしまうのだろう。
次回からは、速度調整の練習もやらねば。
●練習6回目 99/11/14
今回からは、Uターン中の速度調整に重点を置いてみる。方法は、前回と同じく、オーバルコースを右方向にグルグル回るだけ。
まず、Uターン中にブレーキに手がかかっているという点の改善。これは、ターンに入るまでの減速が上手くできていないことを示しているので、とにかく、キッチリ速度を落として、ターンにかかったら意識してブレーキ・レバーから手を離すことを心がける。これだけでも、なんだかメリハリのあるライディングができているような錯覚に陥る。要するに、当たり前のことができただけなのだが・・・。
次は、ターン中の速度調節。しかし、十分に減速してからターンに入るようになったため、バイクをあまり傾けなくてもよくなり、その結果なのだろうか、失速もなくなった。
面白くない・・・。そこで、今までよりターンの回転半径を小さくして、無理矢理バイクを傾けることにする。回転半径を小さくしていくと、思った通り、また失速するようになった。嬉しいやら悲しいやら・・・。
さて、とりあえず、ターンしている間(バイクが傾いている間)の速度を一定に保つようにアクセルの調整を試みる。単純に考えれば、ターン中の自然減速分とちょうどバランスするアクセル開度というものがあるはずである。しかし、何度やってもアクセルの開け具合がわからず、アクセルのON-OFFを繰り返すこととなり、カックンカックンするばかり。
缶コーヒーを飲みながら、暫し考える。何故か。で、結論は「ターンの最中に速度調節をするような技量がないから」。では何故、回転半径が大きければ、失速しないのか。回転半径が少しばかり大きくても、ターンしている間の自然減速はそんなに変わらないと思うのだが・・・。これについては、考えてもわからないので、実際にやってみる。
回転半径を大きくして5〜6回Uターンをやってみると、速度調節と言うほど大袈裟なものではないが、視線がこれから向かう先(ここでは、想定したオーバルコースの反対側のコーナー)を捉えたあたりから、無意識に加速しているようである。なるほど、「速度調節」なんて七面倒くさいこと考えずに、ターンに入ったら徐々に加速してやればよいということか。
回転半径を再度小さくして、早速、実践。十分に減速してターンに入り、それとほぼ同時に恐怖を感じない程度に加速を始める。想定した回転半径より少し大きくなってしまったが、失速することなくターンができた。なかなかいい感じである。正解がよくわからないので断言はできないが、ターンの方法として、それほど間違っていないように思う。
次回以降、これをもう少し練習してみよう。
●練習7回目 99/11/22
練習場に到着後、円走行でウォーミングアップ。ステップを擦りながら調子よく回っていると、「ゴキッ」という音と共に右足に変な感触が伝わってきた。慌ててバイクを止め、ステップを見ると、ステップの先端に付いている突起(道路に当たってカリカリ音を立てる部分)が根元からポッキリ折れている。何となく、いやな感じ。
気を取り直して、前回と同じく右回りのオーバルコースで練習開始。
ターン手前で十分減速しシフトダウンした後、ターンしながら徐々に加速・・・しない?!。アクセルを開けても加速せず、そのままバイクもろとも横倒し。「そんな馬鹿な」と思いながら、倒れたバイクをよく見ると緑のランプ(ニュートラル・ランプ)が光っている。あ〜ぁ、いっぺんに気合いが失せる。
どうやら、今日は早く帰って、家で静かにしていた方が良いようである。ということで、今日の練習は中止。
●練習8回目 99/11/27
例によって、右回りのオーバルコースでUターンの練習を繰り返す。前回の教訓から、シフトダウンを確実に行ったことは、言うまでもない。
30分ほど練習を続けると、加速しながらのターンにも徐々に慣れ、回転半径も小さくなってきた。ターン中の姿勢も比較的安定することを考え合わせると、これはこれで、ターンの方法として正解なのではないかと感じてきた。
課題であった「小回り」も、やっと克服の目処が立ちそうである。師走を前に、風の冷たさが身にしみてきたこともあり、今回をもってこの課題についての練習は終了とする。
まだまだ、克服すべき課題には事欠かないので、春になったら練習は再開する予定。
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