A太はスラスラと、いま聞かされた聖徳太子の話を繰り返すと続けた。
 ゲームしながら、テレビ見て、ママの小言聞くぐらいのこと、いつもしてるもん。
 先生とは普段から努力の仕方が違うよ。
すると、先生は動揺をおさえながら言い訳をした。
 ち、ち、違うさ、先生は太子に話を聞いてもらった人の気持ちも分かってほしかったんだ。
今度はA太がすかさず答えた。
 そうか、太子に話を聞いてもらった人は、先生のように、努力しない人ばかりだったんだ。
先生は、遠い昔を思いやるように、しばらく黙り込むとポツリと呟いた。
 そうか、聖徳太子の存在は、きっと不愉快なものだったに違いない。

vol.133
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