店は商品を手に入れようとする大勢のお客の殺気で溢れかえり、周囲には所狭しとクルマが列をつくった。
大型店に逃げて全く寄り付かなくなったお客も、大挙して押し寄せていた。
開業以来最高の人出は、この土日とどまることを知らず、店主は大忙しで、楽しそうに店内を物色するお客の対応に追われた。
 こんな奴らのために、おれは商売を続けてきたんじゃない!
店主は、あと二日で店をたたむ寂しさと、閉店投げ売りセールをしなければならないくやしさに加え、あさましいお客の行動に思わず声を上げたが、それは店主が神に願った通りの結末だった。

vol.199
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