企画に開発、営業、流通、総務にいたるまで外注の道を突き進む社長。
 やがて、究極の効率化によって会社は躍進を遂げ、社長は役員会の席で宣言した。
皆さんの努力によって、我社は勝ち組として残れたようだ。私の苦渋の選択は間違っていなかった。
 お待ちください社長、最後の仕上げを提案したい。
涙を潤ませて宣言する社長を、優秀な役員の一人が制すると続けた。
 依然、我社には不採算部門が残っております。会社の為に廃止しましょう。
役員会の多数を占める外部役員は、このもっともな案を承認し、社長は解雇され、会社は大手に吸収合併されることになった。
しかし当然ながら、この会社の実態は、既に、いつでも解散できる大手の一プロジェクト部門でしかなかった。

vol.210
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