あの様に美しい女性は、高貴な方の姫に違いない。お忘れになったガラスの靴の画像とともに問合わせのメールをお送りすれば手がかりが見つかるだろう。
案の定、今風の王子は魔法使いの思わく通りには動かなかった。
 ああ、何て世の中だろう。人に便利なはずの機械が人を幸せにできないどころか、恵まれなくとも、まじめに働く人間の夢まで奪ってしまうなんて。
魔法使いのおばあさんは、心からなげいた。
 そんなことありません。不釣合いな二人が今出会っても結婚はかなわないでしょう。でも、これからそれを目標に私が努力すれば、夢にたとえ一歩でも近づくことができます。
 おばあさんの魔法と便利な機械が、私に生きる目標を与えてくれたのです。
シンデレラはそう言うと、あの夜王子から渡された王子の携帯のメルアドを記した紙切れを握りしめ、よっし!と気合を入れた。
 この後、シンデレラが王子へのコネと携帯を利用した情報網を駆使して上流社会へのし上がって行くことなど、魔法使いのおばあさんには想像することもできなかった。

vol.251
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