始めは落ち着きのなかった彼女も、明け方近くになると覚悟を決めたのか、身動き一つしない。
  やがて、ぼくの目に飛び込んできたのは、ガン黒とは、あまりにも対照的な、思わず息をのむ、彼女の透きとおるような、成熟した、からだ。
  言葉もなくして、まばたきもせず、食い入るように見つめるぼくの目の前で、彼女は、こきざみにふるえながら、体をのけぞらせた。古い殻を脱ぎすてて、ゆっくりと、ゆっくりと大人になって行った彼女のことを、ぼくは一生忘れはしないだろう。<夏休み自由研究>-せみの観察-Mm小学校5年H組モナリザマセオ

vol.37
Mm by kuro
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