2002年秋期タカの渡り速報
信州 白樺峠 定点調査地

   更新:2002/11/07調査終了  9/1情報公開 開始
場所 長野県南安曇郡奈川村 白樺峠
     (36°6' N 137°40' EL:1600m)

調査 信州ワシタカ類渡り調査研究グループ

注:記載数値は速報値であり、最終記録は報告書による

内容の転記はご遠慮ください

白樺峠 タカの渡り通過羽数推移グラフ
信州のタカの渡り
List of Species in this Site
月/日
Month/Day
天候
Weather
時 間
Investigation Time
サシバ
Butastur
indicus
ハチクマ
Pernis
ptilorhynchus
ノスリ
Buteo
buteo
ツ ミ
Accipiter
gularis
その他タカ others タカ類計
A total of Raptors
備 考
Remarks
羽数 主な種類
9/1 07:00-16:00 5 1     1 トビ 7   
2 快晴   6 1     1 ミサゴ 8  
3   36   1   7 オオタカ1、ハイタカ1、トビ5 44  
4   5 4 -1 1      9  
5 曇後晴               0  
6 曇後雨                     
7 雨後曇     1   1     2  
8 曇時々晴      2 1 2     5  
9 曇時々晴    10 11   2 10 ハイタカ、オオタカ、ミサゴ、トビ 33  
10 曇時々晴   101 10 2 3 2 ミサゴ1,ハヤブサ1 118  
11   87 11 2 2 3 ミサゴ、ハイタカ 105  
12 晴一時雨   92 35 6 1 2 トビ 136  
13 曇後雨   4 14 3   5 トビ 26  
14   1 2         3  
15 霧後曇   398 142 2 8 10 ミサゴ、チゴハヤブサ 560  
16 曇時々雨     1         1  
17 雨天中止              
18   1211 455 24 6 2 チゴハヤブサ 1698  
19   2499 113 10 4     2626  
20 快晴   1100 118 23 15 3 ミサゴ,トビ 1259  
21   441 39 5 26 2 チゴハヤブサ,トビ 513  
22   80 36 4 12 7 オオタカ,トビ,チゴハヤブサ 139  
23 曇後晴   22 31   3 1   57  
24   667 85 27 34 11 オオタカ、ハイタカ、ミサゴ、トビ、ハヤブサ、チゴハヤブサ、チョウゲンボウ 824  
25   76 14 4 9 3 ミサゴ 106  
26 晴後曇    510 53 11 22 5 ハイタカ,チゴハヤブサ,トビ 601  
27 曇一時晴   53 82 25 2 3 ミサゴ 165  
28 雨後晴     3 1       4  
29   4 9 3 3 3 オオタカ 25  
30 雨後曇     2   2 1 ハヤブサ 5  
10/1 雨天中止              
2   154 107 43 57 13 オオタカ、ミサゴ、ハイタカ、ハヤブサ、チゴハヤブサ 374  
3   184 22 11 58 12 オオタカ、ハイタカ、ハヤブサ、チゴハヤブサ、チョウゲンボウ 287  
4   12 3 8 28 5 オオタカ,チゴハヤブサ,ミサゴ 56  
5   8 2 8 20 8 オオタカ,ハイタカ,ハヤブサ,チゴハヤブサ,小型不明 46  
6   2 2 1 6 1 チゴハヤブサ 12   
7 雨後晴     1 6 8 3 チゴハヤブサ,トビ 18  
8 曇後雨               0   
9 曇後晴   1 10 18 56 8 オオタカ,ハヤブサ,チョウゲンボウ,チゴハヤブサ,小型不明,トビ 95  
10   33 8 100 50 29 トビ,チゴハヤブサ,オオタカ,ハヤブサ,ハイタカ 220  
11   2 5 12 14 3 トビ,チゴハヤブサ 36  
12 快晴     6 43 44 3 オオタカ,トビ 96  
13 快晴     8 250 40 6 オオタカ,トビ,ハイタカ,ミサゴ,ハヤブサ,チゴハヤブサ
304  
14     4 319 50 11 オオタカ,ハイタカ,ミサゴ,チゴハヤブサ,チョウゲンボウ 384  
15     1 24 20 5 トビ,オオタカ,ハイタカ,チゴハヤブサ 50  
16       40 21 3 オオタカ,ミサゴ 64  
17 快晴     1 4 31 8 チュウヒ,トビ 44  
18       5 8 5 トビ,チゴハヤブサ,ミサゴ 18  
19 曇一時雨       23 42     65  
20 霧後雨 雨天中止              
21 雨後曇 雨天中止              
22 曇後晴       44 42 7 オオタカ,ハイタカ,トビ 93  
23     1 102 71 14 トビ,オオタカ,チゴハヤブサ 188  
24     1 209 67 11 ハイタカ,ミサゴ,トビ,オオタカ,チゴハヤブサ 288  
25 晴後快晴       111 90 16 ハイタカ,オオタカ,トビ,ミサゴ,ハヤブサ 217  
26 晴後雨       17 6 6 ハイタカ,オオタカ,トビ,チゴハヤブサ 29  
27 雪時々晴       199 26 14 ハイタカ,トビ,オオタカ 239  
28       2   1 ハイタカ 3  
29 雪後晴       1       1  
30 快晴       33   1 小型不明 34  
31       29 20 9 ハイタカ,オオタカ,トビ,ハヤブサ 58  
11/1 雨天中止                 
2 雪後晴       20 6 6 ハイタカ,オオタカ 32  
3 晴後雪 NoData                
4 NoData                
5 NoData                
6 晴一時雪 NoData                
      3 31 8 ハイタカ,オオタカ,トビ 42  
7804 1457 1838 1070 298 12467   
_/_/_/現地白樺峠 佐伯、中村さんからのコメントを下記に転載します。[( )書き意外佐伯さんのコメント)]_/_/_/

09/01 先週火曜から五日連続でサシバ2ケタだったのに、今日はあんまり・・・これが普通なのだが。8/29サシバ33個体。いったいどんな秋になるのやら。
09/05 午前中の時々降る小雨が原因なのか、今日はとうとう何も出ませんでした。まあ、時期的にはこんな日も有るでしょう。(中村)
09/11 空はどんよりでイマイチだけど、タカが低くて楽しい。やっぱり一羽ずつ識別できる渡りはいいなあ・・・。今日のサシバは急ぎ足。でも、烏帽子岳で見たアカハラダカの速さとは比べものになりません。
09/12 いよいよハチクマが動き始めたという感じ。定点の後ろでカサコソ音がするのでケモノだと思っていたらハチクマJが飛び出してきてびっくり。
09/13 今にも降りそうな空。タカは飛ばないのにアサギマダラが多く、午後はひたすらアサギのカウント。
09/14 朝方まで雨。何度も霧が押し寄せ、肌寒い。アオサギの群れが2回、本日の主な渡り。
09/15 朝はあきらめ気分でスタート。11時頃急速に晴れ間が広がり、タカが飛び始める。上昇気流がないらしく、はばたきながら山バックのまま行く。夕方までサシバの群れ。
09/16 霧の中、ひまな一日。
09/17 終日土砂降り。これでキノコも出てくるか?
09/18 ハチクマは頭上を越えるコースを次々に。午後は東の遠いサシバの群れ。数字ほど「見た!」という気はしない。明日は近くを通ってくれますように。
09/19 なかなかいいコースを通る集団が多く、渡りらしい気分満喫。昨夜は冷え込んで最低気温がマイナス、寒くて夜中に目が覚めた。
09/20 雲海の朝。付近の尾根にサシバが点々といる。見下ろしの雲をバックに飛ぶタカ、今秋初の光景。低かったのは朝の内だけ、快晴の青空にいつの間にか点のタカが散らばっていて、ため息。急におかしな方向に飛びはじめたので探したら上空にイヌワシ。これまた高く、たいそう小さなワシでした。
09/21 晴れ続きでさすがに在庫切れ?群れが出始めたのは14時過ぎてから。最近人に会わないので、たか見の人の群れに圧倒される・・・
09/22 朝からどんより曇り空。風冷たい。
09/23 朝は霧で真っ白。今日は作業の日かと思ったら青空広がる。午後はほとんどタカ飛ばず。
09/24 調査地で初霜。午前中快晴、それほど高いわけではないのに、なぜかタカが見えない。夕方までばらばらと渡り、明日に続きそう。
09/25 いい天気。しかし、15:30までサシバ、ハチクマ各1ケタ。夕方になってようやくサシバの群れが来て渡りらしい光景に。
09/26 15時過ぎてから、サシバの群れが頭上を低く飛ぶようになる。曇天ながら見応え充分。
09/27 午前中、霧。雨になる予定がなぜか晴れてきて、休日出勤の気分。近いハチクマが多くて楽しい。
09/28 夜中から土砂降りで、今日こそは休み、もしかして連休?と下りかけたら昼から晴。ヒマそうなノスリが3羽でウロウロ。
09/29 午後は雨がぱらつく。視界良好、遠くの山までよく見えるのが意外。ハチクマいくつか、いつまでも付近をうろうろ。
09/30 昼には雨が止み、日が差す。視界良好。
10/02 にぎやかになってまいりました。雲の多いもやもやの晴天。高くて見づらい。朝、今年初のヒヨの大きな群れ。
10/03 サシバの部分白化個体、15:25通過。ずきんをかぶったように頭部が白い。ハチクマはほとんどが幼鳥。アトリ初認。
10/04 すっかり10月の渡り。もやもやと景色がかすんで秋晴れとは言い難いけどビール日和。
10/08 どんよりとした曇り空の下で、冷たい風に吹かれて待っていましたが、とうとう何も出ませんでした。11時頃から雨が強くなって来たので、調査は午前中だけで中止です。(中村)
10/09 今日は10時位迄ガスで何も見えませんでした。ガスが晴れるとポツリポツリ出始めて、やっと渡りらしく成りました。(中村)
10/10 風冷たく、昼間でも息が白くなる。高くて目がおかしくなりそう。チゴハヤ7、ハヤブサ3は低め。
10/11 ふもとの奈川村では毎朝ツグミの大群が飛んでいるとのこと。調査地で今日一度だけ声をきく。
10/12 今夜は蜂の子で宴会。調査終了後、みんなでせっせと幼虫を巣盤から取り出す作業。これがなかなか大変!
10/13 穏やかな一日。ぽつり、ぽつりとノスリらしい渡り。今日は早めに蜂の子作業開始したら、15:30過ぎから再びノスリの列。夕方まで続く。
10/14 ノスリもノスリなりにまとまって飛んで来る。集団は午後になってから。今日も17時までカウント、寒くなくて助かる。
10/15 冷たい風、舞い上がる葉っぱに何度も惑わされる。この2日間で調査地周辺、だいぶ空が透けて見えるように。
10/16 昨夜は雷雨。気温はあまり下がらなかったが、穂高、南アルプス、雪化粧。午後快晴、タカ飛ばず。
10/17 いい天気なのに、さっぱり。ノスリの渡りときたら、まるで脈絡がない。本日のラストは今シーズン初のチュウヒ。
10/18 日に日にヒマになる。小鳥の渡り、種類が増えてくる。今朝はヒバリが目立つ。
10/19 どんより空だけど、ツミ♂の赤がよく見える。
10/20 霧のため終日視界不良。ツグミ類の声、しきり。霧の中、200羽ほどの群れが飛び回るのがかすかに見える。
10/22 非常に寒い一日だったとのこと。明後日まで野暮用で留守、ノスリが飛ぶのではと気になって仕方がない・・・
10/23 今朝は冷え込んで、小鳥用に作った水場の氷を割ってやったとのこと。
10/24 ノスリは双眼鏡で見つからないような「点」のカウントで、ちっともおもしろくなかった、らしい。
10/25 調査地付近はすっかり葉が落ちて、まるで違う風景に。ノスリは15時頃から遠い集団を何度も発見したが、確かに、おもしろくない。ベニマシコ、シメ、初登場。
10/26 観察台に降りた霜を掃くのが朝一番の仕事。雪ダルマならぬ霜ダルマ(身長20cm)作成、13時頃まで形を保っていた。小鳥もタカもあまり飛ばない。
10/27 ついに初雪。朝から時雨模様、気温ほぼ一日中5℃以下。ナナメに降る雪の中、ノスリは次々に飛んでくる。なんでこんな日に、と思うが、松本平は晴れていてよく見える。ここさえ越えれば、行先も晴れているのかも。ハイタカ9羽、いよいよ終盤の雰囲気。
10/28 一面雪景色。スーパー林道通行止めとなる。16:30、マイナス2.2℃。
10/29 積雪は8cmほど。一日中3℃以下、大小五つのテントの雪を下ろしたり、雪だるまを作ったり、越冬隊員は仕事がいろいろ。午後から青空が出て雪も止むがタカ飛ばず。
10/30 久々にすっきりとした青空。どういうわけかタカの気配がなく、ノスリも15時前と16時前にそれぞれ2ケタのかたまりが来た以外はほとんど見かけない。夕方の集団は真っ白になった穂高の前を通り、美しい光景。
10/31 寒い!調査開始時、マイナス4.6℃。日中は何日ぶりかで10℃を越える。タカはぽつりぽつり。小鳥も少なくなった。
11/02 夜中に降り出した雪で再びうっすら雪化粧。もうタカが来る気がしない・・・そろそろ撤収なのに、この天気は困りもの。いつも宴会に使っているテントのゴミ袋にネズミが二匹生息しているのを発見。冬の住みかのつもり?
11/03 昨夜、6cmの積雪。朝は予想外の青空、小鳥やツグミ類がいっぱい。にぎやかだったのは1時間ほどで、今日もまた雪。
11/04 終日雪。積雪27cm、やれやれ。
11/05 積雪は30cmを越える。明日は晴れますように。
11/06 午前中は雪が舞う。撤収作業と並行して調査。雪景色とカラマツの黄葉、これでタカが飛んでくれればいいのだけど。
11/07 今朝は−7.7℃まで下がるが、日中は小春日和。久しぶりに気温がプラスになり、雪かき後の地面、すごいぬかるみ。調査に集中できたのは短時間ながら、ハイタカ属が結構飛んでくる。雪の反射で模様がビカビカに輝いて、いつもより派手な印象。調査地は夕方までに撤収完了。雪の下に忘れ物が埋まっていそうだけれど、春までさようなら。


2002年白樺峠 タカ類通過羽数の推移
(2002 9/1〜11/7)