B子との交際も、終りが近いようだ。
 彼女とは二人してネット上で、いろいろな所をまわって幸せだったなぁ。
 私はインターネットの発達のおかげで、最期まで、プレイボーイとして多くの女性の愛を独占する充実した時間を過ごすことができたが、かわいそうに、あの子は、私を失って、さぞや悲しむことだろう。
A太は、そう言って余命いくばくもない老人病院のベッドの上で、ネット端末を寂し気に見つめながら、満足そうに笑った。
しかしA太の思いに反して、A太だけを特別に愛した女性など、今まで一人もいはしなかったし、もちろん、A太は、B子が老人男性の心のケアを委託されて何人もの男と絶えずネット交際を続ける、バーチャルヘルパーだとは知るよしもなかった。

vol.158j
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