いいかい、これを使って昨夜の、タクシーに乗る前の君のフィアンセに電話を入れるのだ。そうすれば、君からの電話で彼女が事故にあうのを回避できるとゆうわけだ。
 しかしこれだけは覚えておいてくれたまえ。過去をいじるとゆうことは現在を変えるとゆうことだ。何が起こっても責任はもてない。
 ぜひ、やらせて下さい。彼女さえ助かれば何が起こってもいい。青年の強い言葉に博士が携帯の使用を許可すると、青年はさっそくタイムダイヤルを昨夜に合わせ過去の彼女と会話を始めた。
 いいかい落ち着いて聞くんだ。君はいま、タクシーに乗ってA町へ行こうとしているね。乗っちゃだめだ。青年は興奮をおさえて語りかけた。
 えっ!。あなたは私が昔の彼のところに出かけることを知っているの・・。ご、ごめんなさい。彼のことが忘れられないの、行かせて下さい。携帯に彼女の思いがけない言葉がひびいた。
 青年は携帯をそのまま黙って切ると博士に告げた。この携帯こわれていますよ。使い物にならない。それに人の運命を変えるなんて、神以外にはやってはいけないことなんだ。そして携帯を床にたたきつけるとボロボロになるまで何度もふみつけた。

vol.49j
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