●1999/03/12 申し込み/準備
入校の申し込み用紙に必要事項を記入してFAXで送信。1分も経たないうちに教習所から電話がかかってきて、明日入校できるとのこと。
慌てて、入校の準備をする。銀行で教習料金を引き出し、帰りに近くのバイクショップで一番安いジェット型のヘルメットと一番安いグローブを購入。ショップのお兄ちゃんに明日から教習所に通うことを話すと「がんばってください」との温かいお言葉と、ZEPHYR 1100、ZRX 1100等々のカタログをいただいた。この歳で教習所といえば大型だと思われて当然か。まぁ、目標はそうなのだが・・・。
●1999/03/13 入校式
視力検査→写真撮影→教習料金の支払い→入校式→適性検査→予約方法の説明と、滞りなく流れて本日は終了。
教習の予約は2日先まで可能であるが、2日前の午前中にはほぼ埋まるとのこと。明日の予約が辛うじて取れた。安堵して帰路につく。
教習所内を見渡したところ、私が一番の年長者。まぁ、覚悟はしていたが何となく居心地が悪い。
悪いと言えば「時期」も悪い。高校を卒業した若者たちがドッと押し寄せることをコロッと忘れていた。かといって、仕事の都合もあり、今を逃すとあと1年半は教習所通いは無理・・・待てよ、一番悪いのは「運」か?
●1999/03/14 第1段階 1時限目
午前中、娘(←写真:2歳6ヶ月)を連れて公園に行き、しっかり家族サービス。午後から1回目の教習。
点検項目/方法、スタンド掛け、取り回し、始動/停止方法、乗車/下車方法、ギアの入れ方を習った後、バイクを2輪コースへ押して行き、発進/停止の練習。壁から5m程度離れた場所から発進し、壁の手前で停止するといった練習を5〜6回繰り返す。自転車運転時の癖か前輪ブレーキに頼ってしまうため、なかなかスムースに停止できない。当然、「後輪ブレーキをしっかり使いなさい」との指導あり。
その後、2輪コースの外周を回る。半周走って停止(ローギアのみ)、1周回って停止(セカンド使用)を2〜3回繰り返した後、「直線でサードまで入れなさい」との指示を受け、時間までグルグル回りながら練習。シフトアップ、シフトダウンともに難しい。4輪と左手足の役割が正反対。解っちゃいるけど・・・の世界。慣れるまでに時間がかかりそうだ。加えて、これまた自転車の癖で気がついたら左右のレバーに指が掛かっており、「不要なときにはレバーから指を離せ」との指導を何度となく受ける。
アッという間に1時限目終了。教習原簿に1個目のハンコが押された。あ〜楽しかった。
無免許で中型バイクに(高校時代ちょっとだけ)乗っていた頃から十数年。久しぶりに跨ったバイクは・・・重たかった。体力の衰えを実感。そういえば、大学時代65kgを越えていた握力が去年の健康診断で50kgそこそこだったし・・・。約25%の体力減か。運動しよう。
●1999/03/16 第1段階 2時限目/3時限目
今日は、4輪コースに出て進路変更、右折、左折の練習を延々2時間繰り返した。アクセル、ブレーキ、クラッチ、ギア、合図(ウィンカ)に安全確認・・・項目だけ挙げると普段運転している車と同じことなのだが、車輪が2つ足りないだけでこうも忙しいものなのか。なかなか慣れない。あたふたしている自分がよくわかる。何か良い練習方法はないものか。
「直線では4速まで入れろ」とのことなので、そのようにした。やたらスピードが出たように感じたが、メータを見たら40km/h程度。体感速度も車とは違う。これも慣れが必要。
エンスト2回、足つき十数回、指導多数(左に寄れ、後輪ブレーキを使え、合図消せ、進路変更のタイミングが悪い等々)が本日の成果。転倒しなかったから良しとするか。
●1999/03/17 第1段階 4時限目
普通自動2輪の教習では計3時限のシミュレータによる教習が課せられているが、今日はその1回目。内容は、実車での体験が不可能な限界走行(オーバースピードによるコーナリング)の疑似体験と、次回の教習で行う急制動の練習であった。
シミュレータに跨り、実車同様の手順で発進。30km/hから徐々に速度を上げていきながら、つぎつぎに現れるカーブを曲がっていく。不謹慎ではあるが、これが結構面白い。110km/hで曲がりきれずに転倒。「2輪はカーブでの事故が多い」「適正な速度でカーブを曲がること」といった内容の講義がある。
引き続き急制動の練習。40km/hで走行中、指定された場所でブレーキをかけて11m以内で止まるというものであるが、指導員曰く「未だシミュレータで11m以内で止まれた人はいない」とのこと。数回練習したが、記録は12m後半〜13m前半。「まぁ、そんなもんでしょ」との評価。最後に、80km/hで走行中、急に前方をトラックが横切るという状況の疑似体験。一緒に受けた若者2人が激突/転倒する中、どういうわけかトラックの約1m手前で止まることができた。実車でもこうあってほしい。
帰宅すると娘がトコトコとやってきて「バイク、たのしい?」と訊ねる。予想もしない質問に「はっ、はい」と元気よく返事。嫁さん爆笑。仕込みやがったな。
●1999/03/19 第1段階 5時限目/6時限目
急制動、8の字、クランク、1本橋、スラローム、坂道発進・・・、教習内容がにわかに豪華になってきた。
今日は朝から雨。濡れた路面での急制動と考えただけで少々ビビリ気味。やってみると、これがシミュレータとは大違い。停止限界線までには止まれるものの、後輪がすぐロックする。「クラッチを切るのが早すぎる、後輪ブレーキをもう少し弱く、前輪ブレーキをもう少し強く」との指導を実践しようとして今度は前輪がロック。危うく転倒しそうになった。何事も加減が大事。
8の字とクランクはなんとかこなせるが、端から見ると不格好だろうなぁと本人が思うくらいの格好悪さ。なにしろふらつく。速度の調節がうまくできない。「もっとニーグリップを意識して」との指導。
1本橋は4勝3敗。最初3回連続で失敗した後、4回連続成功。タイムは11秒後半から13秒前半。なるほど、最初ちょっと勢いつけて橋に乗っかり、後は後輪ブレーキで速度を調整してやればいいのか。これはなかなかいいんじゃない?などと思っていると「次回からもっと速度を上げてふらつかないように」「ニーグリップがあまい」との指導。確かにふらつきは大きかった。
坂道発進は4輪のそれと同じようなものだから簡単だろうとタカをくくっていたら、1回目からエンスト。エンジンをかけ直したが、またエンスト。3度のエンストの後、ようやく成功。「バイクが動き出してからクラッチを離す動作が荒い」とのこと。これで動揺したのか、そのあと平坦な場所からの発進でも3回ほどエンストを起こす。こんなことでつまづいている場合ではないのだが・・・。
今日、最も出来が悪かったのがスラローム。迫るパイロン、曲がらないバイク・・・、結局、最初からパイロンをなぎ倒してしまう。先が思いやられる。速度、視線、ニーグリップ等々、すべてが悪いようである。通り抜けてもタイムは9秒前半から10秒前半といったところ。「そんなに大回りする必要はない」との指導だが、パイロンを倒しそうでなかなか小さく回ることができない。
●1999/03/20 第1段階 7時限目
昨日と同じコースでの練習。
急制動、8の字、クランクは昨日からほとんど進歩なし。
1本橋は、速度をやや速くして9秒〜10秒で渡るようにしたため、かなり安定してきたように思う。指導もなかったことだし、まぁ及第点といったところか。
坂道発進でのエンストは今回なし。だいぶ慣れてきた。しかし、まだスムーズではない。
問題はスラローム。大回りは幾分改善されたがタイムが出ない。「腕を突っ張らないで」「リズミカルにアクセルをON-OFFして」との指導に従い練習するも、初めての転倒を喫してしまう。8秒が遠い・・・。
帰宅途中、バイクショップに寄りレインスーツを買う。展示してあるバイクを眺めていると「ZEPHYR 750の中古だったら30万円で用意できますよ」と店員さん。心が動く。その金額なら嫁さんに相談しても門前払いになることはないだろう。この商売上手。
●1999/03/21 第1段階 8時限目/9時限目(みきわめ)
今日は第1段階のみきわめ。
雨は強くなるわ、真冬並の寒さになるわで気象条件は最悪だが、今日は走り出しから調子がいい。
急制動での後輪ロックは相変わらずだが、ロックしている距離が短くなっているとのこと。8の字とクランクもふらつきがかなり抑えられ、坂道発進もスムーズにできた。1本橋については「ほぼ完璧」とのお褒めの言葉まで頂いた。
極めつけはスラローム。なんと6.7秒というタイムが出た。平均でも7秒半ばといったところ。昨日まで8秒台も出せなかったのに、いったいどうしたのか。好調の理由が自分でもわからないまま練習を続けていると、車体の一部がパイロンに触れた。なるほど、知らないうちに大回りが改善されていたようである。これが「慣れ」というものか?
そんなわけで、ヘルメットの中でニコニコしながら2時間連続の教習終了。「急制動とスラロームにもう少し安定感がほしいですね」−あぁダメか−「次、2段階がんばって下さい」−よっし!−。第1段階終了。
●1999/03/22 第2段階 1時限目/2時限目/3時限目
第2段階からは1日3時限まで教習可能(ただし、3時限連続は不可)ということで、これを有効に活用する。
1時限目はシミュレータによる教習。昼、夜、霧と状況を変えて法規走行の練習。「右折時にもう少しセンターラインに寄るように」との指導は受けたが、基本的には4輪と同じということもあり特に問題なく終了。教習生が私1人で時間が余ったのか、免許取得後に乗りたいバイクの話、高校の3ない運動(今では4ない運動だとか)について等々、暫し雑談。
2時限目と3時限目は実車による教習。外に出ると雪がちらほら降っている。2日連続の真冬並の寒さで、おまけに風も強い。昨日濡れたグローブがまだ乾いておらず、手がかじかむ。そんな中、4輪コースで法規走行の練習。「合図のタイミングが悪い」「合図消せ」「左折はもっと小回りで」「右折時はもっと交差点の中心を通れ」「左後方の安全確認を忘れがち」等々、出るわ出るわ、今までで1番指導が多い時限となってしまう。とは言っても、日本中どこを探しても教習所のコースほど複雑怪奇な道は無いだろうし、教習所のローカル・ルールとも思える合図の出し方もあるわけだから(いずれも言い訳の域を出ず)、これはもうパターンを丸暗記するしかない。
後半は、これにS字(2段階からは8の字ではなくS字になった)、クランク、1本橋、スラローム、坂道発進、急制動が加わった。
スラロームはコンスタントに7秒前半が出せるようになってきたが、坂道発進とクランクでエンスト計3回。調子がいいんだか悪いんだか・・・。
うまく行けば、あと5時限で教習が終わる。そろそろ卒業検定までのスケジュールを考えなければ。次の検定は26日、その次は30日か。残り5時限の教習のうちシミュレータ教習を除けば実車に乗るのは4時限。この時間内に運転技量が劇的に向上するとは考えられない。また、教習を1日でも空けると勘を取り戻すのに結構時間がかかる。この2点から、26日の検定をターゲットに一気にたたみ込む作戦を選択した。捕らぬ狸の皮算用にならなければよいが・・・。
●1999/03/23 第2段階 4時限目
昨日と同じコースで法規走行と課題の練習。
「課題をやってる時(低速走行時)は後輪ブレーキだけ使え」との指導。本人はそのつもりだが、いつの間にかブレーキ・レバーに指が掛かっている。ふらつく原因の一つであるためできるだけ早く矯正する必要がある。今さら遅いような気もするが・・・。
1本橋では、指導員から最も簡単な渡り方を教わる。すなわち、橋に乗ったらアクセルを戻してクラッチから指を離しアイドリングで走行するというもの。アイドリングの回転数にも依るが、ほぼ確実に7秒後半から8秒前半のタイムが出るとのこと。試しにやってみると労せずして7.6秒。これは楽。即採用。
●1999/03/24 第2段階 5時限目(+学科1時限目)/6時限目
5時限目は最後のシミュレータ教習であった。この教習は学科教習(普通自動2輪の学科教習はこの1時限のみ:普通免許所持者)とペアになっており、これらを連続して受けた。
シミュレーションの内容は2種類。1つは、これでもかというぐらいに危険な状況が次々に発生する道を、危険予知を行いながらできるだけ事故に遭わないように走行するというもので、もう1つは、高速道路の走行。すべてのシナリオで1度も事故を起こさなかったからか否か定かではないが、最後に必ず事故に遭うシナリオ(80km/hでコーナーを曲がっていると前方に横を向いたトラックが現れる)で走行した。事故った時の指導員の顔が心なしか楽しそうに見えた。
学科教習では、交差点の定点カメラが捉えた事故のようすをビデオで見ながら、バイクは車から見えにくいことや、自分の身を守る運転の必要性についての講義を受けた。
実車による教習は今までのものとは趣が異なっており、危険回避(指導員が出した旗の色により右回避、左回避、急制動を行う)、コーナリング中のブレーキのかけ方、クラッチを切った状態でのコーナリングの危険性等々について体験した。40km/h減速なしのコーナリングでセンターラインをオーバーしそうになり慌ててブレーキング。前輪ロックで危うく転倒しそうになる。カーブの怖さを身をもって体験。
●1999/03/25 第2段階 7時限目/8時限目(みきわめ)
最後(最後になればいいが・・・)の2時間は検定コースの練習。
検定に合格するためのポイントを含めた細かい指示が飛ぶ。「バイクに跨ったらまずミラーを直せ」「右折時はもっとセンターラインに寄れ」「左折時の膨らみが大きい」「安全確認の首振りが小さい」「スラロームの左回りはパイロンに寄りすぎ」「後輪ブレーキ使え」「合図戻せ」・・・。これじゃぁ、検定はおろか、みきわめも危ないのではないかと思った途端、踏切でエンスト。「踏切でのエンストは検定中止」とのこと。縁起が悪い。
2時間みっちり練習した後、「明日、検定の予約取ってる?」−はい(「取り消しといて」か?)−「じゃ、がんばって」−えっ?いいの?−。第2段階終了。もう2〜3時間教習してという気分。
●1999/03/26 検定
集合時間の1時間前に教習所に到着。おや?集合時間を4輪のそれと間違えてしまったようである。検定料を支払い、今日の検定コースを確認後、コース図を見ながら昨日指摘されたポイントを復習。コーヒーを飲んで、検定コースの出発点に向かう。途中、空を見上げるとなんだか暗い。今にも雨が降りそうである。この期に及んで勘弁して下さいよと言いたくなる。レインスーツを取りに、急ぎ車に戻る。持ちこたえればいいが・・・。
検定開始。検定員からのコース概要説明のあと、順番にコースを回っていく。普通2輪の受検者は4名、私は3番目。1人目合格、2人目合格。多少のプレッシャーを感じつつ、バイクの横に立つ。頭の中で呪文を唱える「跨ったらバックミラー」。このとき、教習時限終了のアナウンス。久々の幸運。コース上から障害物(4輪車)がいなくなる。ウォーミングアップ(外周1周)後、要所毎に呪文を唱えながら検定コースを走る。コースは独占状態。走りやすいことこの上ない。走り終わった後に「4輪が出てきたらもう1回やります」なんてことはないだろうなぁ。あれよあれよという間に法規走行のパートが終わり、いよいよ課題走行。S字−問題なし−、1本橋−8.7秒OK−、坂道発進−結構スムーズ−、急制動−いいでき−、クランク−よしよし−、最後に苦手のスラローム−7.9秒危ない危ない−。出発点に戻り最後の呪文「合図を消してギアはニュートラル」。
検定員のところへ行き講評を聞く。「いい走りでした、公道でもその調子で」とのこと。渡された教習原簿には「合格」の印とともに鉛筆書きで「100」とある。減点なしということらしい。よかったよかった。
結局、4名の受検者は全員合格。簡単な卒業式のあと解散。車で帰宅途中、雨が降り出す。どうぞいくらでも降ってちょうだい。
●1999/03/29 免許交付
7:30amに家を出て免許センターへ。適性検査、書類の提出、写真撮影の後、手にした免許証には「普自二」の文字。しかも、免許証の帯は金色のまま。初心運転者ということで緑色になるのかと思っていたが、そうではないらしい。
来週から、いよいよ大型自動2輪の教習・・・。
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STEP1:普通自動二輪